エアコンは部屋に設置する室内機と窓の外に設置する室外機をつないで、室外機で冷やした冷媒と呼ばれる気体をパイプを通して室内機に送り込みます。
冷却器と空気を冷やすことによって、熱を屋外に逃がし室内の冷房を行います。
室内機と室外機を結ぶパイプを満たしている冷媒に、フロンが使われています。
このフロンが過去には不要になったエアコンの廃棄時に大気中に放出されていて、環境問題となっていました。
その結果、エアコンの冷媒もフロン(R22)から代替フロン(HFC / R410A)を使用した機種へと移行が進んでいます。
エアコンの設置作業を行うとき、冷媒が通る室内機と室外機を結ぶパイプを設置します。
このパイプは最終的には完全に冷媒で満たされていなくてはならず、空気や不純物が入り込んではいけません。
コンプレッサーの冷却により氷となった空気中の水分や不純物がエアコン内部に詰まると、
内部を傷付け故障の原因となります。このため、配管に残った空気を取り除き冷媒で満たす作業が必要です。
この作業を、空気を取り除くという意味で「エアパージ」と呼びます。
これまでのR22フロンを使用していたエアコンでは、単純にパイプを接続し、室外機にあらかじめ充填されているフロンガスのガス圧で空気を押し出す手法が使われてきました。
この方法なら複雑な工具も時間も要らないため、簡単に空気を抜くことができます。
前述の方法では簡単に空気を抜けるものの、ガス圧に頼る上に不必要にフロンを放出するわけにもいかず、どうしても多少の空気や水分が残ってしまいます。
現在の代替フロンを使用したエアコンでは、それらの不純物がエアコンの性能を低下させ故障の原因になる可能性もあるため、メーカー各社はこの方法を推奨していません。
一台の室外機を共有するマルチエアコンタイプの機種などでは、如実に性能が落ちるとも言われています。
また、ガス圧で空気を押し出すこの方法では、大なり小なりフロンが大気中に放出されるため、代替フロンでもR22フロンでも道義的には問題がある方法と言えます。
正規となるのは、いわゆる「真空引き」や「真空ポンプ方式」と呼ばれ、パイプを接続後に真空ポンプを使用して配管内の空気を可能な限り取り除いてから冷媒を充填させる手法です。 この方法は、必要な機材とポンプによる真空化のため手間と時間がかかるのです。
実際には、依然として前者のガス圧方式によるエアパージが行われているといわれています。
何しろ、真空ポンプをきちんと回すだけでも20〜30分、重い機材の設置取り付けなどでトータルで1時間前後作業時間に違いが出ます。
真空ポンプも安価な機械ではありませんから、場合によっては自転車の空気ポンプのような手動のポンプで大汗かきながら空気をくみ出さねばならないケースもあります。
一日に何軒もの設置作業をこなすことを考えると、ここ数年で激しい価格下落とマージンの低下に悩まされている業界としてはおいそれと受け入れることはできず、暗黙の了解的に黙殺されているのが現状なのです。
特に、価格を前面に押し出したディスカウント系の工事店や、「エアコン取り付け費用無料!」などと謳っている販売店などは、真空引きを行っていない場合が多いといわれています。
エアコンの設置に関する手抜きに近い工事はこれだけではなく多々行われており、これも過度の価格競争やデフレの悪影響と言えそうです。
場合によっては数年で故障の原因となる可能性もある重要な作業ですから、工事にきちんとした手数料を支払うことで、手抜き工事を減らすことができるのです。
最近のエアコンは、最新機能が満載です。果たしてどの機能が必要なのか迷うところです。エアコンには、同じメーカーでも機能のあるなしでグレードが設定されています。機能が少ないタイプほど価格が手頃になっていきます。
エアコンを選ぶ際は、居間や寝室など良く使う部屋は最上位機種とし、客間などあまり使わない部屋は少しグレードを落とすなど、使用頻度により必要な機能を見極めグレードを調整するのも賢い方法です。 エアコンの機能は実に多岐に渡っていますので、自分が重視したい機能はどれなのかをしっかり見極めることが必要です。
「自動」「冷房」「暖房」「除湿」の4つが基本的な運転モードです。これ以外に、自動で省エネ運転になる「エコ運転」や、就寝中の「ナイトモード」などを搭載している機種も増えました。
最近の機種では、「再熱除湿」と言って室温を下げずに除湿できるタイプがあります。
肌寒い梅雨時などには快適に除湿ができますが、湿度をとるために温度を下げた空気をヒーターで暖めるため、その分電気代はかかります。人が居なくて室温を気にしない部屋は普通の除湿にするなど、使い分けが必要です。
また、洗濯の室内乾燥に最適な「衣類乾燥モード」や、結露防止に最適な「結露抑制モード」など、除湿の機能は多彩になっています。
部屋全体に効率よく冷暖房した空気を行き渡らせるため、ワイド・ロングなど気流の工夫が施されています。
また、フラップを上下左右に動かすことで、人に風を当てる・当てないなどのコントロールも可能になり、効率だけでなく快適性も向上しています。
フィルターを筆頭に、エアコン内部のメンテナンスを自動でする機能です。フィルターの目詰まりや内部の汚れは、エアコンの運転効率を悪くして、不快な臭いの原因にもなります。 小まめに掃除をしなくても、効率とキレイが維持できるこの機能は、今や人気の機能となっています。
フィルター自動掃除機能は、ここ数年でほぼ全機種で標準装備となっていますが、内部の熱交換器やファンまで全てメンテナンスフリーなタイプはまだ上位機種が中心となっています。
最新のトレンドは“省エネの見える化”です。従来表示されていた室温や湿度に加え、電気代や削減したCO2を表示する機種が登場しました。目に見えることでよりエコを意識するようになり、ゲーム感覚で取り組めます。
エアコン暖房のニーズが高まる中、“乾燥”を軽減するための機能がうるおい機能です。空気中の水分を利用して、肌や髪の乾燥を防ぐ機能が搭載されました。
エアコンをつけているだけでお肌が潤うなんて、女性にとっては夢のような技術です。長時間使用する、居間や寝室におすすめの機能です。
部屋の空気をきれいに保つために、室内の空気を除菌・消臭する「空気清浄機能」や、汚れた空気を入れ替える「換気機能」が搭載されている機種があります。
空気清浄については各社独自の技術を開発し、それぞれにその効果をデータとして公表していますので、どれが一番優れているとは言えないのが現状です。換気機能については、設置する場所や状況によって効果が異なります。